一生自分の歯で食べる方法が
あります。
「不老不死」は人類の夢という。ならば、「一生自分の歯で食べる」も夢でしょうか。
現在の日本人は50歳前後から急激に歯を失いはじめ、70歳では多くの方が入れ歯になっています。
 
今までの我が国の方法では「一生自分の歯で食べる」はかなわぬ夢であります。 一方、ここ10年来の科学的研究結果によって,歯は年をとってもぬけない、何歳になっても自分の歯で食べられることがわかってきました。
それも、簡単に、誰にでもできるのです。
「一生自分の歯で食べる」は正夢なのです。
歯は一生の宝。
だから、大切に育てましょう。
使いましょう
歯はお母さんのおなかの中にいるときからでき始めます。そして、生後6ヶ月ぐらいから乳歯が生え始め2歳ごろに生えそろいます。その後、6歳頃から永久歯が生え始め、15歳ぐらいで生えそろいます。
 
そしてこのときの歯を一生、70年ほど使っていくわけです。それも、毎日毎日、「飴にも負けず風邪にも負けず」過酷な労働を強いられているのです。皆様の周りに70年も使っているものがありますか?世界で一番優秀な日本車も10年ぐらいが寿命でしょう。だから、歯を大切にしてほしいのです。
 
それぞれの年代でおきやすい歯のトラブルと注意したいポイントが数多くありますが、ここでは、子供が虫歯にならない方法と、大人が歯を失わない方法を説明いたしましょう。
子供の虫歯は、フッ素を上手に使えば確実に予防できます
虫歯の予防といえばまず、歯磨き?でも「歯磨きしているのに虫歯ができる」と皆さん感じていませんか? 実は、歯磨き以上に確実な方法があります。それはフッ素を上手に使うことです。
日本は先進国の中でもっとも虫歯(ここでいう虫歯は、治療済みも未治療も両方含みます)が多い国です。
そして虫歯の予防に成功している国はすべて、フッ素を上手に使っています。
 
たとえば、米国では水道水の中にフッ素を入れて虫歯を減らすことに成功しました。 実は日本人はアメリカ人と比べて歯磨きをよくするし、甘いものを半分程しか食べていないといわれています。
 
それでも日本人の方が虫歯の数が多いのは、フッ素の使い方が十分でないからです。 今、フッ素は世界各国で虫歯退治の切札として使われており、虫歯ゼロの子どもたちが大半を占めるようになりました。
それでは、日本で私たちの子どもたちの歯を守るにはどうしたらよいのでしょうか。
それは、ホームケア(家庭でのケア)とプロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)でフッ素を積極的に使用していくことです。
ホームケアの方法にはいくつかありますが、当院では、4歳以下の子どもには家庭でのフッ素塗布、4,5歳からフッ素洗口の方法を指導しています。
 
その他にフッ素スプレーや、フッ素ジェル等の方法もあります。いずれも成長・生活環境・虫歯になりやすさといった個々に合ったフッ素用プログラムに沿って、いかにフッ素をホームケアで取りいれていくかがポイントです。
 
また、プロフェッショナルケアとしてホームケアのやり方の指導、口の中に残った虫歯菌の除去、高濃度のフッ素塗布をしてもらう必要があります。
 
写真はこのようなケアを12年間つづけた子(筆者の子ども)です。虫歯が0です。世界で証明された方法ですから必ずいい結果が出ます。
ホームケア及びプロフェッショナルケアはともに専門家の関与を欠かすことができません。ぜひご相談下さい。
フッ素で虫歯ゼロ
成人では虫歯と歯周炎を退治して歯を健康にします
成人になると虫歯のほかに、歯周炎への注意が必要になってきます。
歯周炎とは歯を支えている骨(歯周骨)が溶けていく病気で、重症になると歯が抜け落ちてしまいます。
初期では軽い痛みや歯磨き時の出血などの自覚症状しかなく、かなり進行してから気が付くことがほとんどです。また、40歳以上ではほとんどの人が歯周炎にかかっており、歯を失う最大の原因になっております。
歯と歯肉との境目につくばい菌(プラーク)が原因で歯石ができ歯槽骨が解けていくことになるのです。また、歯周炎が脳卒中、心臓病,糖尿病、肺炎などの全身疾患を引き起こしたり、症状を悪化させたりすることもわかってきました。このように怖い病気ですが幸いなことに現在では適正な治療をおこなうと、とってもよく治り再発もほとんどなくなりました。それでは歯周炎の治療はどのように行うのでしょうか。
 
第1に、原因であるブラークを患者様自身に歯磨きでとってもらうホームケアとしてのプラークコントロールが最もたいせつです。「私は、毎日歯磨きしているから大丈夫」と思われていませんか?実はこれが大きな落とし穴で、専門的な指導を受けていない人のほとんどが70%以上のプラークの付着を認めます。また、プラークを取れるようになるには専門家(歯科医と歯科衛生士)による丹念な指導が必要です。
 
たとえば、私どもの歯科医院ではほとんどの患者様に10回はどの指導を行います。それにより、患者様に合ったプラークコントロールを見つけます。このステップが最も大切で時間を必要とします。第2にプロフェショナルケアとして、患者様自身では取れないプラークと歯石を専門家が取ります(スケーリング・ルートプレーニング)。完全に歯石を取るには、高度な技術が必要となります。
 
このホームケアとプロフェッショナルでほとんどの歯周病を治すことができます。またメンテナンスを行うと再発することはありません。逆に、歯周炎が治らないのは、主にこのホームケアとプロフェッショナルケアが不適切だからです。
自分の歯で一生食べる」が実現しています
虫歯や歯周炎のホームケアとプロフェッショナルケアが適正に行われると、自分の歯で一生食べられることが科学的に証明されています。代表例はアクセルソン教授が考案したプログラムで、北欧のある地域において20本程度の自分の歯をもつ人達に対して行われたました。
 
この方法では、15年間に抜ける歯は一人あたり0.2本、新しい虫歯は約一本しかできず、歯周病はほとんど無くなります。15年間でこのプログラムをやめた人はたった3%で、いかに快適な方法であるかがわかります。
 
また、年齢における差はほとんどなく、何歳になっても自分の歯で食べることができるわけです。
この方法は日本でも注目を浴び、当院でも実現しています。
375名に適正なホームケアとプロフェッショナルケアを行った時の15年後の結果
興味喪失による中断  2.5%
歯が抜けた本数  0.2本/人
新しい虫歯  0.9歯面/人
歯周病の改善 ほとんど治癒
年齢による差  ほとんどない
重症の歯周炎もあきらめるな
近年、歯周炎によって失われた歯を支える靭帯や骨を、特殊な人工幕やタンパク質を使い復活させる治療法(GTR法等)が開発されました。
 
これにより従来の治療法では抜く必要がある歯や、治りが悪い歯の歯周炎を治すことができるようになりました。高度な技術が必要ですので、ご相談ください。
とけた骨が復活する。
インプラントは残った自分の歯を守る
不幸にして歯を失った場合、従来までは噛めるようにするためにブリッジや入れ歯を入れるしかありませんでした。しかしながら、ブリッジや入れ歯による治療では、残っている歯が削られたりバネをかけられたりするため、510年以上経過すると、トラブルを抱えることがよくあります。
 
「はじめはたった1本の歯が抜けただけなのに、気が付いたら何本もだめになっちゃって・・・」と嘆かれる人は少なくありません。インプラントはこのようなトラブルを防ぐために、大変有効な治療法です。
 
私たちの歯は歯槽骨に根(歯根)を伸ばしています。これと似た形にするために、歯が抜けた後の歯槽骨にチタン製の人工歯根をいれます。そして、その上に差し歯をいれてる治療法をインプラント治療といいます。
インプラントで隣の歯を守る
変歯が一本取れた
ブリッジでは
隣の歯は削られてしまう
インプラントでは
隣の歯はそのまま
インプラント治療の流れ
歯がないところの診断
インプラントを顎の骨に埋め込む
インプラントに差し歯を作る
人工歯根は骨とよくくっつくために、最も確実な治療法として確立し、国際的にも最も高く価されています。また、その技術進歩は目覚しく、従来不可能とされた骨が少ない部位にも応用可能になってきております。
 
インプラントだとブリッジや入れ歯にする必要が無く、まるで自分の歯ように噛むことができす。そして何よりも最大のメリットは、残っている歯に負担をかけないため、自分の歯を守ることができるのです。ぜひ、ご相談ください。
削らない、抜かない治療と予防で、一生自分の歯で食べましょう
20世紀の治療では、痛い歯でも、削って詰めるとかめるようになりました。また、抜けた歯はブリッジや入れ歯でかめるようになりました。でもこのような方法だけでは歯の寿命を延ばすことはでませんでした。
 
21世紀の今日、さらに科学的進歩を遂げた歯科医学を基に、削らない・抜かない治療と予防が現実となりました。みなさん、この福音を享受し、一生自分の歯で食べ健康な毎日をエンジョイしましょう!
医療法人くらのうえ市丸歯科
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